第1回_本の紹介

今回は私が最近読んだ(オーディブルで聞いたものも含みます)書籍の感想や、これはためになったなと感じた内容を紹介しようと思います。

『会社をつぶさない社長の選択』


第1回の書籍の紹介では『会社をつぶさない社長の選択』という書籍を先日読みましたので、紹介します。

内容

こちらの書籍は、税理士の松岡靖浩さんが書かれたもので、長年税理士という立場から数多くの企業の社長様から経営や税金などに関する相談を受け、それに対する松岡先生の見解がまとめられたものとなっています。

例えば「起業する際、株式会社と合同会社のどちらがよい?」という社長からの質問に対し、「コストメリットで言えば合同会社。しかし信用力で言えば株式会社がよい。そのため、名刺を配らないラーメン屋では合同会社がよいし、一方で上場企業相手に仕事をする場合や、取引先などに名刺を配るような仕事なら株式会社がおすすめ。」といった形で具体的に松岡先生の見解を教えてくれます。

読了後の感想

結論から言うととても勉強になりました!

おおよそ50の項目が紹介されているのですが、どれも松岡先生の経験で裏打ちされております。

そのため、当時の具体的エピソードもリアルで、一税理士として自分もこういう場面にこれから遭遇するのだろうと考えながら読んでいて、気が付いたら読み終えていました。

それに、どの項目も具体的であるため、中小企業を相手にした税理士業務にすぐに活かせるものもいくつもあるように感じました。

私自身は現在Big4と呼ばれる税理士法人に所属しており、クライアントも比較的規模の大きな企業で、業務内容も経営支援等ではなく税務相談と申告業務が主になりますので直接的にこちらの書籍の内容を活かす場面は多くないかもしれませんが、今後独立開業する際には大変参考になる気がしています!

特に学んだこと

会社を経営するにあたり、大事な要素の1つとして挙げられるのが資金調達です。松岡先生は、会社を立ち上げる際に陥りがちな間違いとしてよくあるのが、借入をせずに自己資金のみで経営を始めてしまうことだと言っております。

確かに気持ちとしては私もよくわかります。できるだけ借入をせずに無借金で経営を行うことが一番健全で安全な方法なのではと直感的には感じてしまいます。。

ところが、これは逆に危険なのだということです。

ここで会社が資金調達を行う一般的な方法を考えてみると、基本的には次の2つの方法になると考えられます。

  • 自己資本を投入する
  • 銀行から融資を受ける

お金が手元に余程ある方はそのお金を会社に投入すればよいだけの話で、何も難しく考える必要はありません。経営をしていて資金がなくなりそうになれば個人のお金を会社に追加で投入すればよいのです。

ところが、会社を始める方のうち多くの方はそうではないと思います。そもそもそこまで余裕があるのであれば、会社を創業などせずに金融投資でお金を稼ごうと思う方も多いのではないでしょうか。

手元にそこまで潤沢な資金がない方が経営をする際に、無借金で経営を始め、1期目に赤字を出してしまうとします。すると、その立ち上げた会社の決算書は赤字の決算書ができてしまうことになります。

その段階でやはり資金が足りないと考えるものの、既に自己資本として追加で会社に投入できるお金がない場合、そこから銀行に借入を申し込むことになります。

この状態で銀行がお金を貸してくれるかというと、そんなに甘くないのが現実とのことです。

銀行もあくまで利益追求のための会社である以上、赤字の会社にはなかなか融資することができないということです。自己資本もないので、キャッシュアウトし、例え長期的には売上があがる想定があったとしてもその段階に至る前に会社が廃業してしまうことになりかねません。

したがって、創業時や利益が上がっているまだ手元資金に余裕のある段階で先に借りておくのがよいということです。

それでも、「借入を行えば利息が取られてしまう。手元資金に余裕があるのに利息を払い続けるなんて馬鹿みたいでは?」と思われる方も多いと思いますが、利息は安定して経営を行うための保険料として考えるのを松岡先生はおすすめしております。

その他にも、

  • 補助金と助成金、どちらを優先して取りにいくべきか?
  • 車両はリースと分割購入のどちらがよい?

といったようなあまり考えたことのなかった論点についても取り上げられており、いずれも「なるほど!」と思うことばかりでした!

是非ご興味のある方は読んでみてください。

それではまた更新します。

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